きき酒とは、日本酒の「色」「香り」「味」を目・鼻・口で鑑定し、
良し悪しを判断することを言います。
一般的にきき酒の際は、底に藍色の蛇の目模様を入れた
白磁製の200mlのきき猪口を使用します。
白字に藍色の蛇の目があることで、日本酒の透明度、色、テリ等を確認しやすくなるのです。
また、古くから神事に深く関わりのある日本酒を清めるなどの意味も込めて、
魔除けとして蛇の目になっていると言われています。
色々な種類の日本酒を少量ずつ味わって、それぞれの個性を発見するのは面白いですよ。
きき酒の手順は次の通りです。
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①色の質と濃さを見ます
・淡い黄色でいくらか緑がかったものが「青ザエ」といって良しとされます。
・透明で光るような清澄度「テリ」のある酒が良しとされます。
②香りを調べます
・清酒固有の香り、フレッシュな香り、果実のような香り、熟成した芳香な香り等があります。
この香りを「はな」といいます。
③味をみます
・3~6ml程度口に含み、舌の全面に拡げて転がすようにして味わい、
濃厚か淡麗か、甘口か辛口かをききます。
・この時静かに鼻から息を出し、口から鼻に抜ける時の香り「ふくみ香」を調べます。
・口に含んだ日本酒を吐き出す、もしくは飲み込むかして
後口が爽やかか、不快な味が残らないかをみます。
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興味深いのは、大勢できき酒をすると、人それぞれ美味しいと感じる日本酒が異なることです。
私は、果実のような爽やかで甘い香りがする吟醸酒が好きですが、
「甘い香りがついていない方が好きだ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
同じお酒を飲んでも、「スッキリしていて飲みやすい」という方と
「なんだか味が頼りない」という方がいらっしゃいます。
一言で日本酒と言っても、本当にビックリする位に種類が多く、味・香りも様々です。
その方その方のお好みの味があると思いますので、
是非色々な日本酒を試して、ご自身のお気に入りの日本酒を見つけていただければと思います。